【プログラマーの存在は危うい?】ノーコードが生まれた理由とこれからのあり方

近い将来、私たち人間でおこなっている業務の49%がAIで充足できるといわれています。
これまで私たち人間が大きくかかわっている業務がAIで充足できるとなると、私たちの日々の仕事が減ってしまうのではないかと考えますよね。

その考え方と少し似通っているのがノーコーダー(ノーコード クリエイター)とプログラマーの立ち位置です。

ノーコードが普及することにより、プログラマーの仕事はなくなるのではないかと考える方も少なくありません。

今回は、なぜノーコードが生まれたのか、そしてノーコードが普及することにより、プログラマーがどうなっていくのかを詳しく解説しています。

 


【なぜ作り出された?】ノーコードが生まれた理由

なぜノーコードは生まれたのでしょうか。

ノーコードはコードを書く必要がない環境開発ツール。つまり、技術者を必要とせずにシステムやアプリ、WEBなどを作ることができるのですが、コードを書く必要がないとなると、本来必要な技術者が必要ではなくなると考えませんか?

実は、技術者が必要なくなるということはないのです。

ノーコードが生まれた理由は、IT業界においてのあらゆる課題が浮き彫りになってしまったことに対して応えられるために作り出されたということが大きいため、技術者が必要なくなるというわけではありません。

 

また、ほかにも

 

  • プログラマーにかかる負担の重さ
  • IT業界における人材不足
  • 従来の開発環境におけるコストの削減

 

など、理由があげられます。つまり、まさにデジタル化された社会において発生する課題にひとつずつ応えられるツールが、ノーコードなのです。

ひとつひとつの理由についてもう少し詳しく確認してみましょう。

 


理由1:プログラマーにかかる負担の重さ

多くの求職者は、技術者になるにはプログラム言語を覚える必要があり、入社してからも即戦力だと思われる必要があると考える方もいますよね。

 

依頼者の依頼に沿ったシステム、アプリ、WEBを作成し、納得してもらえない場合には、作り直すという必要性もでてくるので、簡単に修正をするだけでなく、納期を意識しながらの大幅な仕様変更になるでしょう。長時間労働にもなってしまいます。連日の残業続きも考えられ、終わりがわからないタスクが積み重なることから、負担がかかってしまう方も少なくありません。

そして、新しい技術を取り入れることの多いIT分野は、学びの日々。技術のアップデートも求められます。つまり、技術者ひとりに対する期待が大きく、さまざまな負担が重くなるといわれている職種がエンジニア、プログラマーであり、開発者なのです。

ここで、ノーコードが浸透していくことにより、技術者のみならず非技術者も業務に携わることができます。加えてノーコードはエンジニアや開発者も使用するので、これまでの垣根がなくチーム全体で開発を進めていくこともできるでしょう。

 


理由2:IT業界の人材不足

開発をするとなるとひとつの開発に対して、必要となってくる技術者(プログラマー)の人数は、10人前後。少なくとも5人以上は必要となりますが、現在のIT業界における人材不足は著しく、経済産業省のおこなった2016年の調査によれば2015年で約17万人とされています。

情報引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

 

2019年時点では30万人、2030年には約58万人もの規模で技術者の人材不足になるという調査結果がでていることから、IT業界の人材不足はとどまることなく深刻化していっている状態だといえるでしょう。

つまり、現時点で技術者それぞれに負担が重くかかっていますが、今後さらに負担が大きくなると考えてもおかしくないということです。これ以上増えてしまった場合、プログラマーがさらに減少してしまうことは、そう遠くない未来ともいえますね。

そこでノーコードがこれまで以上に普及することにより、技術者のみならず非技術者(ノーコード クリエイター、ノーコーダー)も開発環境に人材としてあてられるため充足させることが期待でき、より円滑に業務を推進させていくことが可能になります。

 

ノーコードは、IT業界の人材不足に応えられる開発環境ツールでもあるのです。

 


理由3:コスト削減

本来の開発環境ではあらゆるコストがかかっていくことを知っていますか?

普段私たちのすぐ隣にあるデジタルは次のプロセスに沿って開発されています。

プログラミングにかかる時間は、規模によっては異なるものの数か月から年などさまざまで、場合によっては仕様変更などもあり、開発期間を長期化させてしまうことも少なくありません。

ほかにも

  • プロジェクト管理費
  • システム開発費
  • その他間接費

など、あらゆる費用がかかってきてしまい、大きなハードルを感じてしまいますよね。

そこでノーコードを活用することにより、

  • 早く開発を終わらせられる
  • 技術者のみではなく非技術者も携われる
  • 大がかりな環境設備設定の必要がない

など、これまでかかっていた開発に関わるあらゆるコストを削減できるので、IT業界のみならずスタートアップをしたい起業家などからも、大いに期待されています。

 


【アプリ・システム・WEB】ノーコードが現在できること

どんなにプログラマーへの負担を減らすことが可能でも、IT業界における人材不足への貢献、コストの削減もできるとはいえプログラムをなにもないページから組み立てる従来の開発と、ノーコードでできることに差はあるのでしょうか。

 

ノーコードで現在できることは次の通りです。

  • 素早いアプリケーションの開発により効率的に生産の推進
  • アプリのみならず、WEBやシステムなどあらゆる開発環境で使用可能
  • プログラミングに関する知識がない非技術者もさまざまな開発ができること
  • システム、アプリなど難しい知識が必要なくとも開発可能

 

いわゆるコードを一切使わずに、あらゆる環境の開発ができますが、次の場面ではコードが必要になってくることもあるのです。

  • 定形外のものを作りたいときや大規模で複雑なシステムを使いたい場合
  • 使用するツールと合わず、ノーコードが使用できないケース

 

こういったときは、ノーコードで開発をすることが難しくプログラミングでの開発が必要となってくる可能性もあるのです。

加えて、ノーコードのプラットフォームを提供している企業の多くは海外企業であり、英語を使用することが求められます。サポートを受ける際にも、ツールの学習にも英語が必要となるのです。

 

ノーコードには多くのメリットもありますが、デメリットも存在するため、その面をカバーできるか、もしくはカバーするためにどんな動きができるのかを想定しておくとスムーズに開発環境を整えられるでしょう。

 


【今後どうなっていく?】ノーコード開発における未来

ノーコードはIT業界において積み重なっている課題に応えられるツールであり、誰もが簡単に活用できる環境構築ツールです。

 

開発によってはノーコードのみならず、ローコードやプログラマー(技術者)が必要にはなってくるものの、ノーコード業界はこれからも大きく成長していくでしょう。

現在日本国内において、ノーコードの使用率は40%弱。まだ普及の余地があるという状況ですが、ノーコードを今後導入していくための検証をしている企業は12.4%と、回答者の過半数がノーコードを認知し、使いやすいとプラスなイメージを持っている状態です。

 

昨年8月実施のときと比べると2.4倍もの企業が導入を進めていることがわかります。
また、新たに導入に向けて検証している企業も12%程度となるので、今後もノーコードが活発に活用されていくと考えられますよね。

ほかにもノーコードの開発市場における売上は総計で515億8,000万円。2年後の2024年度には1271億円になると、調査会社であるITRは予測しています。

つまり導入をするなら、導入をするためにまずはツールを知る、ノーコードを知るなら今がベストなタイミングといえるでしょう。

 


まとめ

ノーコードが今後普及していっても、プログラマーの仕事は減ることはなく、IT業界における人材不足という課題に応えられるので、負担を軽減させられることが大きく期待できますね。

また、ノーコードでの開発には少なからずとも限界が生じてしまいます。ノーコードでカバーしきれない部分は技術者に頼る必要があるものの、効率的に開発を進めたい場合のときノーコードはおすすめです。

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